シーズン5
第9話「古代の儀式」STAR-CROSSED
記録的な日照りが続く中、納屋で十字架に磔になった遺体が見つかる。腹部に刺し傷があり地面には血で円が。木材に彫ってあった印を調べたところ水を表す古代文字で、どうやらオカルト儀式らしい。被害者はホームレスで、犯行の日、何者かに高額で雇われていた。ビルの地下でも同じ手口の磔遺体が見つかり……。
フルクレイ
アイルランド語で「血」と「土」を意味する造語。雄牛のような外見の種族で、ヴォーガすると曲がりくねった2本の大きな角が頭の両側に生える。黒く硬い毛が顔回りと頭部に生え、顔部分は硬い皮膚で覆われる。鼻・耳も牛のような形状に変化する。声は人間時よりも低く唸るような感じに変化する。フルクレイは、かつてはケアザイタ(ヴェッセンではない人間)を狩っていたが社会の変化にいち早く適応して農耕生活を始めた。作物が不作だと雨を呼ぶ儀式を行っていたが、この儀式が人間の生贄を伴う残忍なものだったため、儀式を続けていた家は子供に至るまでグリムによって皆殺しにされてしまった。最後に儀式が行われたのはおよそ500年ほど前とされ、記録に残っている最後の儀式は1596年。フルクレイの信仰は星に基づいており、雨乞いの儀式では木材を十字架の形に組み、古代の宗教で水を意味するシンボルを木材の中央に刻む。次に、さらってきた人間を生贄として十字架に磔にする。生贄の腹を刺し、十字架の周囲には生贄の血を水のように大地に注ぐ。同じような生贄を7か所に設置し、北斗七星(プラウ:おおぐま座)を形作って完成し、成功すれば雨が降るとされる。
「旧約聖書 申命記」『その血は食べてはならず 水のように地に注がねばならない』
旧約聖書の申命記12章24節にある言葉。申命記は旧約聖書中のモーセ五書のうち5番目に置かれてきた一書。伝承では死を前にしたモーセがモアブの荒れ野で民に対して行った3つの説話をまとめたものであるとされている。前半の5章から11章で十戒が繰り返し教えられ、後半の12章から26章で律法が与えられている。12章では犠牲の捧げ物の肉と血について触れられている。