シーズン1
第1話「グリムの末裔」PILOT
オレゴン州ポートランド市警の刑事ニックはある日女性の顔が化け物のように変わるのを目撃する。その後、育ての親であるおばのマリーが現れ、ニックに対し、自分たちはグリム一族の末裔で他の人には見えないものを見る力、魔物の正体を見破る力があると話す。
ブルットバッド —その1—
狼型のヴェッセンで、「赤ずきん」はじめ多くのグリム童話に登場する“大きくて悪い狼”が基本キャラクター。 “ブルットバッド”は英語で“bloodbath”=血の風呂を指し、複数の場合は“ブルットバーデン”となる。一人暮らしが多いが、群れで行動すると暴力的になり、赤い色に強く反応する。嗅覚とパワーに優れているが弱点はトリカブトで、これを塗ったものの匂いを嗅ぎ付けることはできない。背中の下部を攻撃されるのも弱い。モンローのように『食餌療法、サプリメント、エクササイズ』などの矯正によって本能を抑え、人間社会に溶け込む努力をしているものもいるが、満月や他のブルットバッドと戦わなければならない時など、本来の変身能力に理性が抗えない場合もある。
グリムの死神
トロール(鬼)型の魔物で単に“死神”とも呼ばれる。彼らはグリム一族の抹殺を目的とする秘密組織である。通常、黒いトレンチコートなど黒衣に身を包み、大型の鎌を武器として携行する。携行用のブリーフケースにはドイツ語で“グリムの死神”と記載されている。彼らの殺人手段としては大鎌で被害者に襲いかかり首をはねるのが常である。第1話でマリーを襲ったハルダは強姦殺人などで各州から逮捕状が出されているような悪人であった。死神は合衆国に在住するアメリカ人だけでなく、ドイツの組織から派遣されて合衆国に入り込む場合もあり、グリムの末裔であるニックを狩るため彼を追い回し、ニックやモンローは彼らとの対決を余儀なくされることとなる。またレナード警部も死神の組織のことを関知していると思われる上に、彼らよりもレナードが高い地位にいることが判明するが、レナードと死神の関係はまだ不明な部分が多い。
「赤ずきん」『狼は思いました。“なんておいしそうな子だ”と』
世界中で有名な「赤ずきんちゃん」。グリム童話集の第26番に収録されているこの物語は、母親から病気のおばあさんの家におつかいに出された少女が森に住む悪い狼に騙され、先回りした狼に、おばあさんともども食べられてしまうが、猟師に助けられるというもの。ベッドにもぐりこんでおばあさんのふりをした狼に、「おばあさんのお口はなぜこんなに大きいの?」と尋ねた赤ずきんが、「それはね…お前を食べるためだよ!」と正体を現した狼に丸呑みにされてしまうシーンは童話といえども恐ろしい。
一説に依ると、「赤ずきん」を最初に書いたのは17世紀の童話作家ペローであったが、ペロー版は赤ずきんが狼に食べられたところで終わっており、赤ずきんとおばあさんが猟師の助けを借りて救出されるという終わり方にしたのがグリム兄弟であるという。にはドイツのグリム版以外に、フランス、イタリアなど欧州諸国で類話が存在し、様々なバリエーションで語り継がれている。
本編では、赤いスポーツパーカーや赤いフードつきジャケットを着た少女たちが次々と赤い色に魅了された男にさらわれ、殺害されてしまう。男はブルットバッドと呼ばれる狼型のヴェッセンである。