海外ドラマ「GRIMM/グリム」

第3話「警告」BEEWARE

ハチ毒によるアナフィラキシーショックで女性が死亡。事故かとも思われたがニックは女性の耳の下にハチに刺されたとは思えない傷痕を見つける。検視の結果、通常ハチに刺された場合の500倍もの量のハチ毒が検出され、殺人事件と断定される。

メリファー

蜂型のヴェッセンで、ラテン語で“蜂の生態”といった意味合いをもち、ヨーロッパに生息する蜜蜂属の学術名アピスメリフェラに由来する。群居性を持つ。メリファーを束ねているのはメリッシュウーラーという女王蜂で、単体の女王蜂に対し、他の者は働き蜂のような役割を持つ。彼らの巣は家々の屋根裏などにあり、1つずつが人間が入れるサイズで、巣の中で武器として使用する毒物(アピトキシン)を生成している。メリファーの唯一の天敵はヘクセンビーストである。またメリファーはグリム一族に対して唯一友好的なヴェッセンである。ポートランドに棲息するメリファーはおそらくグリム一族と旧知の間柄であり、モンローも「奴らがメッセージを送るってことはどこかで不穏なことが起きてるんだ」と言う通り、メリファーはグリム一族に危険が迫っていることを警告する役割を担っていたと考えられる。女王蜂メリッサはニックに、『良き警官であることよりもグリムであることのほうがより重要である』と助言する。おそらくグリム一族とメリファーの間には、対ヘクセンビーストでの共闘関係があったのではと推測される。

ヘクセンビースト

ヘクセンビーストは、銀髪と醜い腐敗しかけた顔を持つ魔女型のヴェッセンで、ドイツ語の「魔女」と「野獣」の造語である。また男性型の場合は魔法使いの野獣という意味の“ザウバービースト”と呼ばれる。舌に印があり、人間の時にも変化した時にも見られる。ザウバートランクス(ドイツ語で魔法の薬)を精製することで悪名高く、惚れ薬を混ぜたクッキーを食べさせたり、記憶に作用する薬を動物を介してターゲットの体内に送り込むなど手練手管に長けている。その薬効は摂取した人間や動物の感情を高めたり、死に至らしめたりする。忠誠心が高く、法にまつわる仕事に就く事が多い。アダリンドはじめ、本編に登場するヘクセンビーストは弁護士が多い。全てのヘクセンビーストは人間型を取るときはたいへん美しく魅力的で、誘惑や人心掌握に長けている。メリファーの唯一の天敵と認知されているヘクセンビーストだが、万が一グリム一族の血液を摂取した場合、彼らは一様にヴェッセンとしての力をなくし、只の人間になってしまう。

「蜂の女王(ミツバチの女王)」『彼女に優しく刺されると―死ぬまで気づかない』

三人の王子が旅に出る。途中でアリの巣を見つけ、二人の兄は巣を壊そうとするが末の王子がそれを止め、アリを助けてやる。次に湖でカモを見つける。二人の兄は食べようとするが、末の王子がそれを止める。やがて三人はミツバチの巣を見つける。二人の兄はハチを殺してハチミツを取ろうと言うが、末の王子がそれをやめさせた。さて、大きなお城に辿りついた三人は、この城を魔法から救い出す使命を帯びるが、「森のこけの下にかくされた千粒の真珠をさがすこと」「王女の寝室の鍵を海の底から拾い出す事」「眠っている三人の王女の中から、一番年下の王女を当てること」などの難題がふりかかる。二人の兄は失敗して石にされてしまうが、末の弟はアリ、カモの助けで二つの問題をこなし、最後の問題は、眠っている王女のくちびるにハチが止まってクリアする。末の王子は三番目の王女と結婚し、王様となる…というストーリー。グリム童話では“三人の王子”“三人の兄弟”などが難題に挑戦し、末の子だけが成功する、といった寓話が多く、また3という数字はキリスト教の「父と子と精霊」に由来するとも言われている。

本ドラマでは、グリム一族の末裔であるニックの前にハチ型のヴェッセン・メリファーが現れる。敵かと思いきや、メリファーはグリムと同じくヘクセンビーストに敵対する存在である事がわかる。

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