シーズン1
第20話「幸せの余波」HAPPILY EVER AFTERMATH
大金持ちのアーサーは詐欺に遭い全財産を失う。妻ルシンダの継母メイヴィスに援助を求めるがきっぱりと断られてしまう。その夜メイヴィスはコウモリのような魔物に襲われ、高周波の音にやられて耳から血を流し目玉が飛び出した状態で2階から転落死する。
ムルシエラゴ/ガウータブリッツ
スペイン原産のこうもり型のヴェッセン。ムルシエラゴはスペイン語読みで、モンローたちアメリカのヴェッセンは、ガウータブリッツ(地獄のコウモリ)と呼んでいる。スペイン人を祖先に持つグリム、ホセ・マリア・ロペス・ディエゴによるとアマゾン上流で1人見たという記録が残っている。赤い目と凶悪な牙が特徴。モンロー曰く「ひとつの体にハッキリ異なる特質を同時に保有して」おり、陰と陽の二元性を持つ。また凶器として何もかも破壊する高周波の音、いわゆる超音波を出すことができる。人間や動物など生き物がその音を聴けば鼓膜は破れ、耳鼻から血が噴き出し、眼球が飛び出て鼻腔は傷つき、はらわたが破裂してしまう。もっとも有効な周波数に達すると人間の体内の動脈を破ることもできる。もちろん周囲のガラスなども粉砕する。これに対抗するには“ムルシエラゴ マトラカ”という手で回して鳴らすサイレン用の機械が必要で、古来グリムはマトラカを使用してきた。ちなみにニックのようなグリム一族にはマトラカの発する音は聞こえないが、モンローらヴェッセンには、マトラカのサイレン音は強烈な音となって聞こえるらしい。
「シンデレラ(灰かぶり姫)」『2人はいつまでも幸せに暮らしましたとさ』
世界中が知っているハッピーエンディングストーリー「シンデレラ」。継母と二人の姉に虐められたシンデレラが、魔法使いの手を借りて美しいドレスとかぼちゃの馬車を用立ててもらい、お城の舞踏会へ出席する。王子はシンデレラにひとめぼれするが、シンデレラは夜中の12時までに家に帰らなければ魔法がとけてしまう。12時の鐘が鳴り始めたので、シンデレラは慌てて走り出し、ガラスの靴を片方だけ落としてしまった。やがて王子は残されたガラスの靴から、シンデレラを探し出し、二人はめでたく結ばれる。しかしグリム童話の初版では、この物語には魔法使いは出ず、かなり血なまぐさい展開となる。継母たちに虐められるシンデレラは、継母の出す難問を、小鳥や木々の力を借りてクリアする。木が落としてくれた美しい衣装でお城に行くが、王子の策略で金色の靴を片方残して帰ってくる。姉たちはその靴をはこうとするが足が入らず、母親は姉たちのかかとや爪先を切り落としてまで靴をはかせる。さらに姉たちは鴉に目玉をつつかれてしまうなど、子供には聞かせることのできないグロテスクな描写があった。
本編では美しいルシンダは継母のメイヴィス、二人の姉のティファニー、テイラーと折り合いが悪く、ダンスパーティーで出逢ったアーサーと結婚して姉たちから憎まれていた。