海外ドラマ「GRIMM/グリム」

第15話「古代の神々」ONCE WE WERE GODS

大学で3千年前の棺に入った冥界の神アヌビス形のミイラが見つかり、大喜びした教授はミイラを研究室に持ち込む。それを知った2人組が大学に忍び込むが失敗し、1人は死亡、もう1人は警備員を撃ち殺して逃走する。現場を調べたニックらは、棺の中身はヴェッセンのミイラで、犯人たちは同種のヴェッセンではないかと疑う。

アヌビス

アヌビスはエジプトにルーツをもつジャッカル似のヴェッセン。ヴォーガすると全身ほぼ無毛に、肌はベージュ色となる。犬のような形の頭と長い鼻が特徴。耳は頭の上へ鋭く突き出し、また長くて鋭い爪を持つ。人間よりも強力で俊敏だが、グリムのことは非常に恐れる。かつてアヌビスはエジプトで神と崇められ、彼らのミイラと共に埋葬されると、古代王朝のファラオは死後、神になると信じられていた。そのため何千という奴隷を拷問して殺しアヌビスを探したが、ミイラ化に成功したのは数体だった。1928年6月11日にカイロで撮影されたグリムの記録フィルムによれば、「王立地理学会のハーバート卿より火急の要請があり、調査に赴くと現地民2人が発掘現場で惨殺されていた。目撃談からヴェッセンの犯行を疑った。そして捕らえたアヌビスの目的は、祖先のミイラを盗み、ふさわしい葬儀を行うことだった。そのアヌビスには肩代わりを約束し、彼を祖先の元へと送った」、とある。このアヌビスの行動は現在でも『ベアティ・パオリ』というヴェッセン組織の行動理念として継承されている。ロザリーによれば、実はエジプトの神の多くがヴェッセンで、壁画に描かれた獣のような人間の正体もヴェッセンだという。モンロー曰く、大昔のエジプトではヴェッセンはロックスター並に崇められており、テフヌト、アメミット、バステト、ケプリなど半獣の神々も元々ヴェッセンらしい。また彼らは絶滅しておらず、今も存在が確認されている。

ベアティ・パオリ

『ベアティ・パオリ』は、17世紀に設立された「ヴェッセンによるヴェッセン文化の保護を目的に設立されたシチリアの復讐組織」。彼らの目的は博物館などで晒し物にされているヴェッセンの遺体(ヴォーガしたままのミイラなど)を取り返し、ふさわしい葬儀を行うことにある。標的は、博物館や遺跡の発掘現場、またオークション会場など。他に、古代遺物の盗品を取引するヴェッセン収集家にも制裁を加える。犯行時、壁などに象形文字で“我は死者を守る”という書置きを残す。

「死者の書」『汝 腐敗せず 悪臭を放たず 虫も湧かじ』

古代エジプトで、冥福を祈り死者とともに埋葬された葬祭文書。パピルスなどに、主として絵とヒエログリフ(古代エジプトで使用された3種の文字のひとつ。聖刻文字、神聖文字)で、死者の霊魂が肉体を離れてから死後の楽園「アアル」に入るまでの過程が書かれている。冥界へ降る魂に死後の世界およびそこで受ける裁きについて、死者の裁判官、ウンネフェル(永遠に朽ちないという意)なるオシリスに会った時に語るべきことなどが記されている。「死者の書」という名称は、1842年にプロイセン王国のエジプト学者、カール・リヒャルト・レプシウスが、パピルス文書を『エジプト人の死者の書』と名付けて出版したことから。

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