海外ドラマ「GRIMM/グリム」

第14話「母の願い」MOMMY DEAREST

ウーの幼なじみで妊婦のデイナが魔物に襲われ、ヘソを太い針で刺されて羊水を抜き取られた上に、何かの薬の影響で意識が朦朧としていた。発見者の隣人は現場で聞きなれない音を聞き、窓枠と木には長い爪痕が残っていたが、デイナは何も覚えておらず、捜査は難航する......。

アスワング

アスワングはフィリピンの土着伝承から登場した悪鬼様のヴェッセン。黒くて太く、長い舌をチュクチュクと鳴らすので「ティクティク」という別名もある。ヴォーガすると灰色の肌に血管が浮き上がり、頭髪や体毛などは消失する。銀色に光る目、蝙蝠のような鼻、歯はすき間だらけで細く尖る。指先からは、長い爪が伸びる。その鋭い爪で木や壁を素早く登ることができ、狙った獲物は決して逃さない。妊婦を襲撃する際には、噛み砕いた吉草根(きっそうこん)という生薬を長い舌で妊婦の腹に注入して眠らせ、羊水をすすって胎児を食べる。ロザリーによれば、吉草根は鎮静剤の一種でお茶やオイルに入れて使用するが、大量に摂取すると精神安定剤並に危険らしい。アスワングに代々伝わる掟は「一家の長男は 母親を長生きさせるために一人目の子供を諦める」というもので、古代には赤ちゃんを食べて若さと健康を取り入れるという儀式もあった。グリムの日記には、1904年5月にマニラに到着したグリムの先祖がアスワングに襲われた妊婦に遭遇したことが記され、「妊娠のために売られた花嫁は第一子の胎児を長寿食として奪われる。長寿を得るには胎児がアスワングの血縁でなければならない」と書かれている。

「ゲロー」『人家へ行ってヘビのように忍び込み 赤子を食らい 奴らに悲痛を与えよう』

ギリシャ神話に登場する女の魔物で、レスボス島の子供をさらう若い女の幽霊。別名はラミアー。ゲローは海の神ポセイドンの息子ベーロスとその母リビュエーとの間に生まれた娘。リビアの女王だったが、その美貌に惚れ込んだゼウスが手を出し、ゼウスの妻ヘラの猛烈な怒りを買う。ヘラはゼウスとゲローの間に生まれた子供を全て殺させ、ゲローを怪物に変えてしまう。また、子供を失った悲しみから常に逃れられないように眠りさえも奪ってしまった。ゼウスはゲローを憐れみ、目を取り外して眠れるようにしてやったが、ゲローは子供がいる母親たちをうらやむあまり、ついに子供をさらい、食べるようになってしまった。日本では“鬼子母神”がそれに近いとされる。

「アスワング」

フィリピンの土着伝承として語られる女吸血鬼。UMA(未確認生物)の一種で、フィリピン南西部のパラワン島に出没するといわれる。目撃証言によれば体長は1.5メートルから1.8メートル。上半身は猿のように毛深く、背中に翼が生えていて素早く飛行し、また鋭い爪を持っている、など。伝承では、昼間は美しい女性の姿をしているが、夜は空を飛び、人間の生き血をすする怪物と化す。人間の血を好むほか、コウモリを捕食するとされている。アスワングが現れるのは満月の夜。近隣の犬が騒ぎ出すと伝えられている。

PAGE TOP