シーズン2
第7話「早熟」THE BOTTLE IMP
大きな荷物を持った9歳の娘エイプリルを連れてどこかへ出かけるビル。途中で立ち寄ったガソリンスタンドでカードエラーが発生し思わず怒りを爆発させ魔物に変身する。そのガソリンスタンドで店員が惨殺死体で発見される。防犯カメラの映像とカードの情報から容疑者として浮上したのはウィリアム・グレンジャー。グレンジャーは短気な性格が災いし仕事を解雇されていて妻とも別居中だった。
ドラング・ゾーン
ドイツ語で衝動と激怒の意を持つアナグマ型ヴェッセンで、黒色の短毛が体を覆っている。口には上下に飛び出す牙が生えていて、敵に激しく噛みつく。扱いにくく、短気で暴力的になりがち。通常、ドラング・ゾーンの凶暴化の変化は13才で訪れるが最近では多少早まることもあるらしい。大人になればその衝動をうまくコントロールして生活していくことができるが、子供はそれを抑えきれないため、早期に凶暴化した子供の親はたいへん苦労する。昔のグリムの報告によると「私が接近すると姿を消した。脅すと、彼らは地下の巣穴に姿を隠した」とあるように入り組んだ巣穴に潜り込む習性がある。昔はクロスボウで退治していた。たいへん凶暴なため、火あぶりにするには体を縄でしっかりと縛らねばならない。
「ガラスびんのなかのばけもの」『“出してくれ”と言われ少年は 化け物とは思わず瓶の栓を抜いた』
グリム童話に収録。貧しい父親が息子を学校へやったが金が続かず、息子は実家に戻った。父子は隣家から斧を借りて森へ木を切りに行った。昼になり、息子が森を散歩していると、大きな柏の木から「出してくれ、出してくれ」という声を聞きつけた。木の根の間にガラス瓶がはさまっていて、中にカエルそっくりの妖怪がはねていた。瓶の蓋をあけると妖怪が飛び出て大きくなり、息子を食べてしまうと脅したが、彼は「お前がさっきの大きさで本当に瓶の中にいたのか確かめるまでは納得できない」と言い、妖怪はそれならと瓶の中に戻った。息子がすばやく蓋を閉めたので、妖怪は「出してくれたらすばらしいものをやる」と約束した。彼が出してやると妖怪は布切れをくれた。片方で撫でるとどんな傷も治り、反対側でこすればどんな鉄クズも銀にする不思議な布のおかげで、息子は借りた斧を銀の斧に変え、大金を手にした。息子は学校へ戻り、不思議な布のおかげで大金持ちの医者になった。