シーズン2
第16話「名前の謎」NAMELESS
スピナー社というゲーム制作会社で、「ブラック・フォレスト」というゲームの続編の完成を祝うパーティーの最中、制作チームの1人であったブロディが酸のようなもので体を真っ二つに切られ、殺される。殺害現場の壁には血のりで「私のゲームをしよう」とメッセージがあった。
フクストイフェルヴィルト
“キツネの悪魔のように恐ろしい”という意味を持つ。緑の皮膚に尖った鼻と耳、口からは鋭い牙が飛び出している。四本の長い指からは筋肉から分泌される高濃度の酸を噴射し、金属や木などの固いものでも焼いたり切ったりすることができる。少量でガラスや金属板も溶かす。グリムの記録では、足を踏み鳴らすと大地が振動するとされている。動きは素早く、高い知能を持っている。またその高い知能のためにかなりサディスティックで、知識を必要とする難しいゲームをやりたがる。被害者となった者は彼の正しい名前を当てなければならず、その名前が間違っていたら殺されてしまう。(これまでに発見されたフクストイフェルヴィルトの名前は全て“ルンペルシュティルツヒェン”という名前のアナグラムになっている)正しい名前を当てられてしまうと、彼らはプライドが傷つき、怒りのあまり死んでしまおうとする。グリム一族を非常に恐れており、グリムが相手だと知ると錯乱してすぐ逃げようとする。
「ルンペルシュティルツヒェン(がたがたの竹馬こぞう)」『彼は両手で左足を引っ張り 自分を真っ二つに裂いた』
グリム童話に収録。あるところに粉ひきおやじがいて、王様に「自分の娘は藁をつむいで黄金にできる」と少し見栄をはった。王様は娘を城に呼び出して藁のある部屋に入れ、藁をつむいで黄金にせよと命じた。そんなことはできないと娘が泣いていると小人が現れ、何かくれたら手伝ってやると申し出た。娘は首飾りをやり、小人は藁をつむいで黄金にした。黄金を見た王は喜び、もっと藁のある部屋へ娘を入れて藁を黄金にできなかったら殺してしまうと言った。またもや小人が現れて、娘の指輪と引き換えに仕事をした。翌日、藁のつまった大部屋に入れられた娘に王は、これが黄金になったら結婚してやるといった。娘にはもう小人に与えるものがなかったので、小人は「生まれた子供をくれたら助けてやる」といい、娘は後先考えずに約束してしまった。王様と結婚して子供が生まれたある日、娘の前に小人がやってきて、子供をくれと言い出した。困る娘に小人は「自分の名前を当てることができたら子供はそのままでいい」と言って姿を消した。娘は家来に国中を歩かせて知っている名前を出したが、小人の名前は当たらなかった。二日目もだめで、三日目に戻ってきた家来が遠い山奥でおかしな小人がぴょんぴょんはねながら「おれの名前ががたがたの竹馬こぞうというのは誰も知らない」と言っていたのを聞いて帰ってきた。小人が現れたとき、娘は「おまえの名前はルンペルシュティルツヒェン(がたがたの竹馬こぞう)だろう!」と言ったので小人は怒り、自分の左足をつかむと自分で自分の体を引き裂いてしまった。