シーズン2
第21話「ウェイキング・デッド」THE WAKING DEAD
空き家で騒ぎの通報があり、ウー巡査部長とフランコが駆けつける。2人が中に入ると女性が倒れていて、物音のする方に行くと男性が襲い掛かってきたためフランコが射殺する。男性の鼻からは緑色の粘液が出ていたことから、薬物の使用が疑われ検死解剖することに。
クラシェイ・モーテル
“吐き出す”と“死”の造語でフグ型のヴェッセン。丸い頭からたくさんのトゲが突き出している。顔は日焼けしたような濃い色で顔の両側と頭の後ろは病的な緑色になっている。大きな目と広い口を持ち、頬をふくらますと、対象物に緑色の液体毒(テトロドトキシン)を吹きかける。緑色の粘液はアトロピンやスコポラミンなど複数の薬物の効果を持ち、仮死状態を誘発する。吹きかけられた相手は神経が遮断され心臓も止まり仮死状態となる。被害者の呼吸と心拍は特殊な器具なしでは測定することはできなくなる。かつてグリムの先祖は、“王”に雇われてボワ・カイマンというハイチにあるワニの森までブードゥーの司祭を追跡し、司祭がヴェッセンかどうかを探索した。司祭の名前はデュッティ・ブクマン。奴隷に読み書きを教えていたため“本の男”という意味だった。ブクマンはまた土曜男爵、墓地男爵、十字架男爵など複数の異名を持っていた。彼は死後の世界に死人を招き入れるブードゥー教の精霊、ゲーデ一族の長で、グリムは彼が埋葬直前の男を目覚めさせるのを見たと記述している。ブクマンが主宰するブードゥーの儀式では、奴隷の女性がナイフを手に持ち魅惑的に踊りだし、やがて彼女は黒豚の喉を裂き血を周囲に捧げた。血を得た彼らは反乱と、闘いと、殺しを誓った。そしてグリムはついに男爵と戦い、彼が唾液で仮死状態を招く者(ゾンビ)“クラシェイ・モーテル”だと知った。男爵を仕留め損ねたグリムはやむなく退却した。現代のクラシェイ・モーテルはシルクハットを被った長身の男でネクタイとスーツを身につけている。“男爵”と呼ばれブードゥーの儀式で人々を次々と仮死状態にしていく。
「死神ゲーデ」『ハットと黒衣でキメたパパ・ゲーデ 宮殿から戻ったら晩餐の始まりだ!』
ゲーデはハイチのブードゥー教における死神。ブードゥー教に伝わる精霊を“ロア”と呼ぶがゲーデは“死とセックスのロア”とされ、死者がギネー(神々の住処)に向かう途中の“永遠の交差点”に立っている。土曜男爵、墓地男爵、十字架男爵などの別名があり、黒いシルクハットと燕尾服を着た男性の姿をしている。ハイチでは毎年11月〜12月頃にバンダと呼ばれるゲーデの儀式が行われる。儀式では聖なる木に棺や供物を並べ、太鼓のリズムに合わせて憑依された人々が激しく踊る。