シーズン4
第6話「破滅のハイウェイ」HIGHWAY OF TEARS
モンローとロザリーが別種婚を忌み嫌うヴェッセンたちから嫌がらせを受けていることを知ったニックは、グリムに戻る決意を固める。一方、ディックスとスリーカ夫婦がドライブ中にタイヤがバーストして崖下に転落、直後、2人のもとにヴェッセンが現れ、脚が挟まって動けないスリーカを残しディックスを連れ去ってしまう。
ファンシガー
ファンシガーはヒンディー語で「人を吊るして悪事を働く人」の意を持つ。スカレンゲックの一種でありコモドドラゴンによく似た容貌を持つヴェッセン。ヴォーガすると、トカゲ状の黄緑色の皮膚となる。頭髪はなくなり、大きく開いた口には尖った鋭い歯が並び、対象者を威嚇する。戦う際には鋭い爪が武器となる。過去、インドでファンシガーに遭遇したグリムが残した記録によれば「1893年6月3日、カルカッタ。貧民街に入って6週間後に1人目と遭遇、襲われた。運よく奴の喉を掻っ切ったが、危うく長い舌で首を締められるところだった。インドでは、奴らはタギー(かつてインドに存在した暗殺集団)の構成員である。神カーリーへの捧げものとして旅行者を殺す恐ろしいカルト集団だ。ファンシガーは奴ら独自のやり方で神に生贄を捧げる。不運にも犠牲となるのは常に若い男女で、まず不気味な舌で生贄の首を絞めておとなしくさせる。その後、生き埋めにされる。カーリーの怒りを鎮めるこの忌まわしい儀式は3年ごとに行われる」とのことである。この記録を残したグリムは「ジャングル・ブック」の作者、ラドヤード・キプリング。
フィリクトロイアー
フィリクトロイアーについてはシーズン3第6話「悪霊払い」を参照。
セクンドム・ナトゥレ・オルディネム・ヴェッセン
別名“ヴェッセンライン”、純血維持のため中世に結成された集団で、別種婚は人間と自然への反逆罪だと考えている。評議会の対応は公式には、そういった組織は違法だとしているが、評議員の中には別種婚を冒涜だと考える者もおり、対処を難しくしている。
「母神讃歌」『容赦なきあなた はねた男女の首で輪飾りを作るとは』
「母神讃歌」は18世紀、インド・ベンガル地方の詩人であるラームプラサード・シンが書いたインド神話の女神カーリーについての詩。ラームプラサード・シンは、1718年(または1723年)にタントラ派の医師で、またサンスクリットの学者でもあった父ラームラーム・センの元に生まれた。成長すると宮廷詩人となり、王からKaviranjana (Entertainer of poets)の称号を受けた。女神カーリーは血と酒と殺戮を好む戦いの女神。名前は「黒き者」の意味を持ち、カーリー・マー(黒い母)とも呼ばれる。全身黒色で3つの目と4本の腕を持ち、チャクラを開き、牙をむき出しにした口からは長い舌を垂らし、髑髏ないし生首をつないだ首飾りをつけ、切り取った手足で腰を飾った姿で表される。また夫シヴァ神の腹の上で踊る姿で描かれている。インド全体で信仰されているが、特にベンガル地方での信仰が篤いとされる。