海外ドラマ「GRIMM/グリム」

第9話「父親の影」OF MOUSE AND MAN

レナード・ドレークが首にドライバーを刺された遺体で発見される。同棲相手のナタリーはレナードに暴力を振るわれていて憎んではいたが殺しはしないと犯行を否定。殺される前夜ナタリーはまたレナードに怒鳴られていたが、そこへ同じアパートの住人マーティとスナイダーが仲裁に来てくれ、ナタリーはアパートから逃げ出すことができたと話す。

ラオズィンシュランガ

蛇型のヴェッセンで意味は「不潔な蛇」。二股に分かれた舌に斜視、うろこ状の肌を持つ。まるで大蛇・ボアのように、マウズハーツのような弱い獲物をターゲットにすると絞めこんで離さず、強い腕で獲物を絞め殺す。人を襲って補食することで知られ、ニックの祖先、クロフォード・グリムはかつてラオズィンシュランガを仕留めたことをジャーナルに記録していた。『2日間ウィーンで待ち、薄暗い路地で”ラオズィンシュランガ “と対面した。近づくと襲われた。私が何者かに気づけばそんな無茶はしなかっただろう。私は一撃で奴の頭を切り落とした。腹を切り開くと行方不明の子供たちの一部があった』という記述がある。モンローはニックに「”マウズハーツ”を ”ラオズィンシュランガ”と2人きりにするな。デザートにされちまうから」とアドバイスしている。

マウズハーツ

ハツカネズミ型のヴェッセンでドイツ語で「ハツカネズミの心臓」の意味。ビーズのような目、突き出た鼻から針金のようなヒゲが伸びる。また出っ歯である。たいへん臆病で自分の影にも脅えるほど。人に害は及ぼさず、グリムの本にも彼らについて記述がなかった。モンローによれば「グリムが彼らについて書いてないのは書くほどのことがないからだ。せいぜいアニメのネタになるくらい人畜無害。“わっ”と大声で脅かしたらそそくさと安全地帯に逃げ込む」との事。物を溜め込む性分で、マウズハーツのマーティの家はこまごましたものが並ぶ中古品屋で、いくつもの安全な抜け道が作ってある。ヘビ型ヴェッセン・ラオズィンシュランガの犠牲になりやすい。

「二十日鼠と人間」『ネズミのようにキーキー騒がず、うなり声を上げなければ』

本編は童話ではなく、オリジナル英語エピソードタイトルが示すように1937年に出版されたジョン・スタインベックの小説『二十日鼠と人間』がベースになっている。世界大恐慌時のカリフォルニア州、出稼ぎ労働者のジョージとレニーはいつか自分たちの農場を持つ、という夢を抱いて働いていた。だが大男のレニーは頭の回転が弱く、いつも問題を起こしてしまい、二人は働き場所を転々としなければならない。ある日新しい仕事場に辿り着いた二人は、そこで個性豊かな人間たちと知り合い、彼らの夢に一歩近づく可能性も出て来た。だがその実現を前に、ジョージとレニーを悲劇が襲う。貧しい労働者たちのシビアな現実を描くこの傑作は過去二回映画化されており、1939年にルイス・マイルストン監督、ロン・チェイニー・ジュニア、バージェス・メレディス主演、1992年にゲイリー・シニーズ監督・主演、ジョン・マルコビッチ、 シェリリン・フェン他出演といういずれも演技派俳優たちの名演による感動作である。

本編では、父親の呪縛から解かれて新しい人生を踏み出すことを夢見る40代の独身男、ハツカネズミ型のヴェッセンであるマーティが、同じ様に暴力をふるう同棲相手から逃げ出すことを決意した女性に好意を抱き、ヘビ型ヴェッセン・レナードに反旗を翻すが…。

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