シーズン1
第19話「目撃者」LEAVE IT TO BEAVERS
橋の建設現場で“アイスビーバー”のロバートが他の魔物のサルという男に殺される。その現場を目撃してしまった同じく“アイスビーバー”のアーノルドは通報するが、サルに見つかり……。
アイスビーバー
ビーバー型のヴェッセンで語源はドイツ語の「氷」と「ビーバー」。初登場は第5話の「死の舞踏」で、ニックの家の冷蔵庫を修繕に来る。とても穏やかで柔和な性格だが、人嫌いのマウズハーツ等とはやや異なる。職業は修繕人やパン屋、職人など。またこの街の建設会社のほとんどはアイスビーバーである。彼らは問題が怒ると“ ドーム”と呼ばれる集会所に集まり、公平に民主的に解決策を話し合い、採決する仕組みをもっている。基本的にはバドが言うように「勇敢な種族じゃない」ので、「誰も傷つかないようにするのが一番=トロールには逆らわないのが一番」だという考えを持っている。トロール型のヴェッセン、“ヘスリッヒ”とは長年、ヘスリッヒに従うような立場で共存してきた。しかしその慣習は経済的にも社会的にも恐怖支配であり、それに異を唱えるアイスビーバーも出てきている。たいへん礼に厚く、恩人には沢山の贈り物で報いる。
ヘスリッヒ
トロール型のヴェッセンで、語源はドイツ語の「醜悪」。それゆえ「醜いヤツら」と呼ばれることもある。住んでいる地域の橋の管轄を好み、生業としている。橋の建設を請け負うアイスビーバーはヘスリッヒに金を払わなければ工事ができない。それゆえに建設関係の仕事をしている者も多い。古い慣習を未だに継続して、アイスビーバーから金を巻き上げている。もしアイスビーバーがヘスリッヒの要求に応えない場合は、グロッサーン建設の社長ロバートのように悲惨な末路となる。また、ヘスリッヒのサルバトーレの大叔父は、コペンハーゲンでグリムの首をはね、グリムの死神になった、という過去があり、「グリムの死神」とは旧知の仲。グリムを追い払うため、死神を呼び寄せることもできる。
「三びきのやぎのがらがらどん」『トロールが「待て」と彼の前に飛び出てくると、「この橋は有料だ。渡るなら俺に1ペニー払え」と言いました』
ペテル・クリスティン・アスビョルンセンによるノルウェー民話。「がらがらどん」という名前の3匹の山羊の冒険物語。3匹の山羊は、大きさは違うが名前は皆、「がらがらどん」だった。ある日3匹は草をたくさん食べて太るために山へと向かう。しかし途中にある深い谷にかかる橋の下には大きな鬼のトロールがいて、橋を渡るものを襲う。しかし「がらがらどん」たちは勇敢にも橋を渡ってゆく。当然登場したトロール。だが、小さい山羊は「自分のあとに来る山羊のほうが大きくておいしい」と言い、次の山羊も同じことを言って、橋を渡る。最後に来た一番大きな山羊は、大きな角とひづめでトロールに対峙し、角でトロールの両目を突き刺して橋を渡ることに成功する。
本編ではバド、オブリンガー、アーノルドの3人が橋を牛耳るトロール型のヴェッセン ヘスリッヒに勇気をもって立ち向かう。