シーズン1
第13話「3枚のコイン」THREE COINS IN A FUCHSBAU
宝石店が襲われ店主が金庫の中で遺体で発見される。強盗団はアジトに戻り目的のコインがないことに気づく。主犯格のソレダッドは現場に戻るが警察が大勢いて手を出せない。そして通りの向こうから店を眺めて魔物に変身するところをニックに目撃されてしまう。
スタインアドラー
鷲型のヴェッセンで語源はドイツ語のゴールデン・イーグル。直訳するとストーン・イーグルとなる。まるで軍人のように規律正しく、正義感がある。また、とても勇敢で高貴なことでも知られており、忠誠心も高い。だが実際彼らと関わる時は彼が誰の味方なのか見分けるのは難しく、直感に頼るしかない。ニックの母は、自分たち夫婦や赤ん坊だったニックに危険が及ぶことを察知して、妹のマリーとマリーの婚約者でスタインアドラーのコルトにある頼み事をした。
シャカール
ジャッカル型のヴェッセン。シャカールはそのままジャッカルという意味。盗みで生計を立てている。たいへん残忍で、赤子を食べることでも知られている。マリーの本によればニックの祖先はミュンヘンからアウクスブルグへの道で、シャカールが森の奥でたき火をしているのを目撃した。彼らはそのたき火で赤子を食べており、グリムはシャカールを追いかけて首をはねた、とある。ヴェッセン社会では長い間グリムに対抗してきた種類。アキラ・キムラがグリム一族に敵対意識をむきだしにしていたように自分の意思とは無関係にグリムに敵対する傾向にある。シャカールは大戦時にリーダー的な役割を担う可能性を秘めており、例を挙げるとアドルフ・ヒトラーはシャカールであり、第2次世界大戦中、襟のボタンにはザキントスのコインがついていたことがグリム一族に伝えられる映像に残っていた。
「どろぼうの名人」『鍵がかかっていようとも、私はそれがほしくてたまらない』
グリム童話に収録された、盗みの名人の物語。老夫婦の前に、一人の立派な身なりの男が馬車でやってくる。男は疲れて腹も空いたので田舎料理をごちそうになりたいと申し出る。男が夫婦に、仕事の手助けになるような子供はいないかと尋ねると、夫婦はかつては一人男の子がいたが、若いうちに不良となって出ていってしまった、と答えた。すると男は、自分がその息子である、と言って証拠となる肩のほくろを見せた。夫婦は喜ぶが、息子は、自分はどろぼうの名人となり錠前など簡単にあけることが出来るという。驚いた父親は、息子の名付け親である王様にこれが知れたらきっと首吊りになる、と言う。そこで男は自分から王様のところへ出かけてゆき、王様の情けで3つの難題に答えることになった。まず、王様の厩から王様の乗る馬を盗みだすこと。2つ目に王様夫妻が寝入ってから、寝床の敷布を盗み出し、奥様の指から婚約指輪を抜きとること。そして最後に、お寺から坊主と納所坊主を盗み出すこと。男は知恵を働かせ、用意周到に準備して難題に挑み、全ての物を盗み出すことに成功した。王様は感心し、首吊りのかわりに領内からの立ち退きだけで男を許すことにした。
本編ではついに人類の歴史に長い間関与し続け、歴史上の人物たちに大きな影響を与えてきたと言われる謎の遺物「ザキントスのコイン」が登場。ニックたちグリム一族とヴェッセンたちのコインを巡る攻防が、その幕を切って落とす。