海外ドラマ「GRIMM/グリム」

第11話「悲しき性」TARANTELLA

画廊のオープニングイベントに出ていたライアン。そこで見つけた美しい女性リナに声をかけアパートに連れ込む。ライアンは狐の魔物でリナに襲い掛かる。リナは怯えつつも反撃に出る。実はリナの方にも秘密があったのだ。

スピナトッド

クモ型のヴェッセンで、ドイツ語で「クモ」と「死」の造語。モンロー曰く「死のクモ」で、クロゴケグモに似ている。女性型スピナトッドは老化が早く、「ル・ホトゥ・ダージュ」(変遷期)を迎えると体の壊死を食い止めるために5年毎に3人の男性を襲う。性交渉の最中に、ラトロインセクトトキシン(クモの毒に含まれるアミノ酸)を含む強酸性の液体を相手の口に流し込み、内臓を液状化させて吸い尽くす。内臓を吸いつくすと体内は「デギュラス」(汚い)状態になる。最後の摂取から3日以内に次の摂取を行わなくてはならない。また、光るものに興味を示し、時計や指輪などを収集する。行いは悪辣で容赦ないが、飢餓をコントロールできないことに罪悪感を感じている。欠損した体の再生能力もある。スピナトッドはグリム一族も掴んでいなかった種類の魔物で、グリムジャーナルには「シンガポールからの蒸気船でハセガワという日本人医師に会った」という記述とともに、ハセガワのくれた巻物に新しい未知の魔物についての絵があり、ハセガワもまたグリム同様の能力を持っていた、と記されている。モンローも彼らの習性の詳細を知らなかったが、彼の知り合いでヴェッセン用の介護施設に入居している女性・シャーロットに話を聞く事ができた。シャーロットという名前は有名な童話「シャーロットの贈り物」(ハムになりたくない子豚と、養豚場に巣を張るシャーロットという名前のクモの物語)から取られていると思われる。

シュニートマーカー

まだ本編には登場していないが、ヴェッセンやグリムの間で「たいへんに危険」だと言われる種類の魔物。シーズン1第11話「悲しき性」とシーズン2第2話で言及される。実際は不明だが、「雪を降らせる」という意味合いから、「吹雪」に関係するのではと推測される。また「schnitt」は切る、「macher」は作るという意味もある。もちろん本当のドイツ語ではない。

「化け蜘蛛」『一瞬にして巫女はクモの姿に変身し、武士はすでに彼女の網にかかったことを知った』

1896年(明治29年)に日本国籍を取得して「小泉八雲」と名乗ったラフカディオ・ハーン(小泉八雲)作の怪談。昔、ある荒れ寺に化け物が出るという噂が立ち、その正体を見破ってやろうと一人の武士が荒れ寺に泊まり込むことにした。するとそこに体が半分、眼も片方だけの化け物が現れ「ヒトクサイ、ヒトクサイ」と呟いた。侍が座っていると化け物は消えた。次に、老僧が現れて琵琶を弾き始めた。怪しむ侍に、僧は「お前も弾いてみるか」と琵琶を差し出した。侍が左手を伸ばすと琵琶の弦がスルスルと侍の手に絡みついた。弦は蜘蛛の糸で、とたんに僧は化け蜘蛛に姿を変えた。侍は右手に刀を持って斬りつけた。朝陽が上ると蜘蛛は姿を消し、村人と侍が探すと、庭の穴からうめき声が聞こえた。穴の中にいる化け蜘蛛に侍が止めを刺し、化け蜘蛛は退治された。
日本各地に多く残される民間伝承もある。本来は、上古に天皇に恭順しなかった土豪たちとして、日本各地で記録されている名称であり、『古事記』『日本書紀』に「土蜘蛛」または「都知久母(つちぐも)」の名が見られる。蜘蛛とは無関係だが、後代になって「蜘蛛の妖怪」として伝承されていった。14世紀頃に書かれた『土蜘蛛草紙』には平安時代中期の武将・源頼光が家来の渡辺綱と共に京都の洛外北山で遭遇した妖怪の物語が描かれている。空飛ぶ髑髏を見た頼光らがそれを追うと、古びた屋敷で妖怪たちに苦しめられる。夜明け、彼らの前に美女が現れるが、頼光が刀で斬り掛かると白い血痕を残して女は消える。血痕を辿ったところ、山奥の洞窟で巨大なクモと戦闘となる。また、『平家物語」では病に臥せっていた頼光の前に僧が現れ、縄を放って頼光を襲うが、名刀・膝丸で撃退する。僧の正体は巨大なクモであり、神武天皇が討った土豪の土蜘蛛の怨霊だったという物語。

本編では、クモのヴェッセンであるリーナが若い肉体と美貌を保つために人間の男性を襲う。しかし彼女は人間を襲うことに罪悪感を感じている。人間を襲わなければ一日にして年老いてしまうスピナトッドの悲しい宿命により、リーナにも悲劇が訪れる。

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