第5話「七年目のうずき」THE SEVEN YEAR ITCH
夜の公園でセミのような容貌のヴェッセンが地中から這い出て、ボロボロの服を着た人間ウィリアムの姿になる。彼はヴォーガして通行人の男を殺し、その通行人は後に全裸遺体となって発見された。同じ公園で地中の穴から人骨が見つかり、何者かが這い出した跡がある。ニックらは這い出したヴェッセンが男を殺して服を奪ったと睨む。
アタクトス・フーシー
名前の意味は“パーティー・ピープル”のことで、ワインと酒宴のギリシャの神ディオニュソスの元となったもの。ヴォーガすると、人間くらいの大きさのセミに似た形状となる。全体は茶褐色で硬質の皮膚に覆われ、背中に羽根を持ち、目は大きな黒いものになる。鋭い爪を持ち、一撃で獲物を突き刺す強さを持つ。普段は地中に潜み、7年ごとに1日、地中から蘇る。地上へ出るとすぐに獲物を襲って食べ、また人間の姿で普通の食事もするが、凄まじい食欲を見せる。地上に出た1日は人生を満喫して楽しく過ごすのがモットー。その後24時間内に、再び7年間地中で生存するための食料を捕獲しに出かける。獲物は7年間飢えをしのげるだけの大柄な人間に狙いを定め、意識を失わせると地中深く穴を掘り、獲物と一緒に中に入る。地中では獲物の体液や内臓を吸い出しながら7年間過ごす。その間、特殊な消化酵素を獲物に流し込んで皮膚を蝋化させ、腐食を防ぐらしい。
アスピラトゥール・テスプリ
通称・幽霊掃除機といい、人体に憑依した霊を吸い出す機械。電話ボックスのような箱の中に服を脱いで中に入り、スイッチを入れる。もしも幽霊が幻覚なら何も起きないが、本当に憑いていると霊体が人体から吸い出され、分離する。
「七年目の浮気」『ムズムズしてきたら 掻きたくなるのが人情でしょう』
『七年目の浮気』はジョージ・アクセルロッドによる同名のブロードウェイ舞台劇が原作で、アクセルロッドとビリー・ワイルダーによる脚色で映画化された。監督はビリー・ワイルダー、出演はマリリン・モンローとトム・イーウェル。ニューヨークの出版社に勤めるリチャードは、結婚7年目。妻と息子がバカンスに出かけたため、アパートの部屋に一人でいたが、上階に若いブロンド美女が間借りしてきたことからリチャードの妄想と浮気の虫がうずき始めて…。地下鉄の通気口の上に立ったマリリンの白いワンピースが風で浮き上がるシーンが有名だが、大観衆の前での撮影にマリリンの夫ジョー・ディマジオが激怒し、離婚の一因となってしまった。