シーズン4

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グリムとしてのアイデンティティを問われるニック

シーズン3で、ジュリエットの姿に変身したアダリンドとベッドを共にしたことによってグリムの能力を奪われたニックは、人間とヴェッセンとの見分けがつかなくなり、ヴェッセンたちと戦うパワーを失い、ヴェッセンが関わる犯罪捜査にも支障が出てくる。その一方で、ニックがグリムではなくなったことによって、グリムの能力に目覚める前のような「普通の」生活に戻れるのではないかとジュリエットから言われて、心が揺れている自分に気がつく。世間の人々のようにヴェッセンの存在に気がつかないまま、ジュリエットと共に穏やかに暮らしていくべきなのか。それとも自分に与えられたグリムとしての使命を果たすべく、グリムの能力を取り戻すべきなのか。それに加え、もう一人の”グリム” トラブル(ジャクリーン・トボーニ)との出会いも、ニックに大きな影響を与える。
自分を襲ったヴェッセンたちを正当防衛で殺したことで偶然、ニックと出会ったトラブルは、見ず知らずの自分をグリムだというだけで受け容れて自宅に寄宿させてくれたニックに恩返しするかのように、ヴェッセンが関係する事件の捜査に参加。犯罪捜査にはもちろんド素人で、グリムとしてもまだまだ未熟なトラブルの行動にはニックもハラハラしっぱなしになるが、2人の間には兄と妹の間の愛情にも似た師弟関係がうまれる。これまでは、ニックを後継者に指名したおばのマリーにしても、18年ぶりに再会したニックの母ケリーにしても、ニックの良き指導者たちだったが、トラブルに出会って“先輩グリム”として逆に指導する立場になったニックの成長ぶりも見ものである。

トラブル役でいきなりデビュー! シンデレラ・ガール、ジャクリーン・トボーニ”

シーズン3から登場したもう一人のグリムことトラブルを演じるジャクリーン・トボーニはまさにシンデレラ・ガール。本作の製作総指揮・脚本家のジム・カウフが、脚本執筆に関する講師としてミシガン大学を訪れたとき、その講義に参加していた生徒のひとりがジャクリーン・トボーニだったのだ。講義の一環で台本読みをしたところ、学生の演技力の高さに気付いたカウフは、オーディション過程に興味のある学生を参加させ、シーズン3から登場する新キャラクター、トラブルの台本を読ませてみたのだ。そこで異彩を放ったのが当時22歳だったジャクリーン・トボーニ。トラブル役にぴったりだ!と彼女にほれ込んだカウフは、キャスティング・ディレクターやほかのプロデューサーにトボーニを推薦。最初は疑問視していたほかのプロデューサーたちも、彼女の演技力とその存在感に圧倒され、トラブル役はジャクリーン・トボーニに即決したという。トボーニは本作に出演しながらミシガン大学を卒業、「Major Crimes ~重大犯罪課」などにゲスト出演するなど、女優として順調にキャリアを築いている。

王家の血を引くベビー、ダイアナをめぐる争い

レナード警部とアダリンドの娘ダイアナは、王家の血を引くだけでなく、1/4は人間で3/4は“ヘクセンビースト”ゆえ、ベビーの頃から超能力を発揮するパワフルな存在。そんなダイアナを支配下に置きたい王家はありとあらゆる手段を講じてくる。一方、王家がダイアナを連れ去ったと信じているアダリンドは、我が子に会いたい一心でウィーンまで飛ぶが、予期しない状況に置かれることに。“スーパー・ベビー”ダイアナをめぐる善と悪の闘いがますますエスカレートするシーズン4に要注目!

晴れて夫婦になったモンローとロザリーを待ち受けていたものは?

ニックがグリムの能力を失い、レナード警部が銃撃されたりと、結婚式どころではなくなってしまったモンローとロザリーだが、それでも夫婦になれたことを喜んだのも束の間、何者かが二人に対して嫌がらせを始める。その原因は、狼型ヴェッセンの“ブルットバッド”のモンローとキツネ型ヴェッセンの“フクスバウ”のロザリーという異種同士の結婚にあることがわかる。ヴェッセンの中には混血を嫌う純血信仰主義者がいるらしいのだが、欧米でいまだに根強く残っている人種問題を示唆したストーリー展開についても本国アメリカでは注目を集めた。

ウー巡査部長、真実を知ることになるか?

アダリンドが調合した媚薬入りクッキーを盗み食いしたせいでひどい目に遭いながらも、その記憶を一切無くしたために何事も無かったかのように元の自分に戻れたウー巡査部長だったが、幼馴染みが被害者になった事件の捜査中、ヴォーガしたアスワングを見たことがトラウマに。以来、ヴェッセンが関わる事件になると疑心暗鬼になり、そのような事件は全てニックとハンクが担当することになっていることも心に引っかかるようになる。さらに、どこの馬の骨ともわからないトラブルが急にニックとハンクが担当する事件の捜査に加わるようになると同時に、トラブルがヴェッセンについて記録したノートに自分が目撃した魔物そっくりのスケッチが載っているのを見て、トラブルに疑惑の目を向け始める。そのようなウーを見て、ニックとハンク、それにレナード警部は、ウーにもグリムやヴェッセンについて打ち明けるべきか否かを検討。ウーは果たして、真実を受け容れてグリム・チームへの仲間入りができるのだろうか?